欢迎来到相识电子书!

标签:甲田学人

  • 断章のグリム〈11〉

    作者:甲田学人 (著),三日月かける (イラス

    「…し…白野さん?雪乃さん!?」真っ黒に焦げたドアと壁と天井。ひっくり返って破壊された棚。床はガラス片の混じった水で水浸し。庭に出されていた田上颯姫は、恐る恐る戻ってきた居間の前で立ち尽くす。床に凄惨な血溜まりと、ずーっと廊下の向こうへと続く人間を引きずったような血の痕が残る、誰もいない返事もない居間の前で―。始まりは『生まれ変わりの子供』の話を真喜多莉緒が母親に話したことだった。異形化した母親と荒んでいく家族関係、そして閉ざされた真喜多邸。雪乃たちを助けにきたはずの蒼衣も隔離され、惨劇は予想以上に拡がっていく。抗える者が減っていく中、雪乃の身体に異変が―。悪夢の幻想新奇譚、第十一幕。
  • 断章のグリム〈10〉

    作者:甲田学人 (著),三日月かける (イラス

    教室で唐突に始まった怖い話。それは、初めてできた子を両親がボートから池に落として殺し、可愛がっていた二番目の子が同じ場所で『今度は落とさないでね』と語りかける、という内容。一緒に聞いていた真喜多莉緒は、その手の話が苦手だった。なぜなら彼女の名前は、死んだ姉と同じだったから―。夏休みが始まり、雪乃とできるだけ長く一緒にいようと目論む蒼衣。だが、泡禍解決に赴いた雪乃と颯姫が戻ってこない。雪乃たちは、死なない“異端”を相手に真喜多家に閉じ込められているらしい。邸は異常現象により完全に外界と隔絶されていた。雪乃のためにも単身で邸内へと救出に向かう蒼衣だったが―。鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第十幕。
  • 断章のグリム〈9〉

    作者:甲田学人 (著),三日月かける (イラス

    『―お姉ちゃん』悲嘆と暗闇の中で泣いていた金森梢枝の背後から、突然少女の声が囁かれる。背後の闇から聞こえてきた、小さく、くぐもった、しかし異様にはっきりと聞こえた声。忘れもしない、忘れるわけもない、しかし記憶の中以外ではあってはならない、死んだ妹の、“声”。金森琴里の自殺を発端に、徐々に悪夢が浸触していく海辺の街。だが蒼衣は、ユリと物語の行方が分からぬまま、雪乃を置いて、地元の普通の日常に戻らなくてはいけない。琴里の恋人だった臣と幼馴染みの一真を護るために必死な雪乃。そして悪夢は、雪乃を心配する蒼衣の予想を大きく裏切り、拡散していく―。鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第九幕。
  • 断章のグリム〈7〉

    作者:甲田学人 (著),三日月かける (イラス

    時槻風乃は、知っている。この世界と全ての存在は、常に『痛み』という火によって、焼かれ続けている。幼い頃に火傷した時、火という物の本質は『痛み』であると学んだ。―火は『痛い』もの。そして、彼女に燻り続けていた『火』と『痛み』への思索は醸成され、一つの結論へと―。時槻雪乃のクラスメイトの古我翔花は、継母との確執により、いつも雪乃の家で泣いていた。死んだ母親の居場所を、形見の指輪を守りたいが、翔花は悔しさと悲しみに明け暮れて泣いていた。そんな時、ゴシックロリータに彩られた人形的な美しさを持つ風乃に出会い―。悪夢の短編連作型で贈る幻想新奇譚。
  • 断章のグリム〈5〉

    作者:甲田学人 (著),三日月かける (イラス

    小さな森の中。小さな神社へと続く、石と根だらけの細くて狭い、暗い道。前を行く友人の律子に追いつこうと、危なっかしい歩みで必死に足を進める愛。そして彼女は、神社を目前にした石段の上、律子の頭上にかかる朽ちた赤色をした鳥居から、死体の色をした真っ白な“腕”が垂れ下がるのを目撃した…。田上颯姫の妹が住む街で起きた女子中学生の失踪事件。“泡禍”解決要請を受けた雪乃と蒼衣の二人を待ち受けていたのは、愛の幼馴染みであり、雪乃へ敵意剥き出しの非公認騎士の少年だった。『赤ずきん』の予言を受けた“泡禍”は、静かに新興住宅地の町を蝕んでいく―。鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第五幕。
  • 断章のグリム〈6〉

    作者:甲田学人 (著),三日月かける (イラス

    街灯の明かりも届かない細くて暗い袋小路。暗闇の中から流れ出すのは、鼻の奥を突き、口から胸へと流れ込む生臭い湿った鉄の匂い。そして、墨に沈んだような暗い路地に浮かび上がるように、真っ白な裸の手足が無造作に転がっていた。その前にしゃがみ込んでいたのは、小柄な少女の影―。“泡禍”解決の途中で怪我を負い、意識不明の重体に陥った雪乃。彼女の重荷をなくすため、蒼衣は単身、未だに手がかりの見えぬ謎へと立ち向かう。徐々に『赤ずきん』の欠片は繋がっていくのだが、この街の狂気は想像を遥かに超えていた。失踪事件を発端とした悪夢の結末に待っているものとは―!?鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第六幕。
  • 断章のグリム〈4〉

    作者:甲田学人 (著),三日月かける (イラス

    じりりりりりん!寺の敷地内にある住職一家の住居に、不意に電話のベルが鳴り響いた。くぐもった遠い電話の音は、音が夜に食い尽くされたかのような静寂の中を虚ろに繰り返して、響き続けた。誰も決して出ることなどなく、血と、腐った磯と、そして石鹸の匂いが混じったような、異様極まる臭いがただよう住居の中に―。神狩屋の婚約者の七回忌前夜、人魚姫の物語をなぞる惨劇は、蒼衣たちが訪れた海辺の町全体に広がっていく。そして、大量の泡に押し潰されるかのように、徐々に泡禍に巻き込まれていく蒼衣と雪乃。彼らが死の連鎖を誘う人魚姫の真相を知る時―。鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第四幕。
  • 断章のグリム〈3〉人魚姫

    作者:甲田 学人

    薄汚れた洗面台で、老女はいつものようにひび割れた石鹸を取り上げて、掌で揉み始める。乾いた石鹸はすぐにぬめりを取り戻し、白く濁った水がぬるぬると手にまとわりついて泡となって嵩を増やしていく。最後に一通り両手の表面を泡で拭った瞬間、それまでとは違う異様な感触が掌に伝わり、そして―。泡禍解決の要請を受け、蒼衣たちは神狩屋がかつて暮らしていたという海辺の町を訪れた。過去に例をみないほど町中に溢れ出す泡禍の匂いの中、彼らは神狩屋の婚約者だった女性の妹・海部野千恵に出会う。彼女は重度の潔癖性であった。奇しくも婚約者の七回忌を明日に控え、悪夢の泡は静かに浮かび上がる―。鬼才が贈る悪夢幻想新奇譚、第三幕。
  • 断章のグリム〈2〉

    作者:甲田学人

  • 断章のグリム〈1〉灰かぶり

    作者:甲田学人 (著),三日月かける (イラス

    曰く、この世界に存在する怪現象は、全て“神の悪夢”の欠片である。この悪夢の泡は人間の意識に浮かび上がると、急速に人の恐怖や悪意や狂気と混ざり合う。そして、現実世界を変質させながら溢れ出し、悪夢の物語を作り上げる。だが、浮かび上がった悪夢の泡が非常に大きかった時、個性が希釈されて物語の『元型』に近くなる。明示的、暗示的、様々な形で『昔話』や『童話』のエピソードに似たものになる―。普通であることが信条の白野蒼衣と、過去を引きずりつつ悪夢と戦う時槻雪乃。人間の狂気が生み出した灰かぶりの悪夢の中で出会った二人が辿る物語とは―!?鬼才が贈る幻想新奇譚、登場。