欢迎来到相识电子书!

标签:日本文学

  • 春天,相遇在巴尼斯百貨

    作者:吉田修一

    有時候,現實總會牽引著我們回到過去,沉浸在另一個時間裡。 筒井,平凡的上班族。雖然家庭美滿,工作也還過得去,但在他的內心深處,總還是住著莫名的空虛與焦慮:如果當初沒有離開「他」,是否生活會更不同?如果當初不和「她」結婚,是否就不必擔心孩子不喜歡自己? 改編同名電視劇由西島秀俊(《白色榮光》)、寺島忍(《龍馬傳》)主演。 收錄〈春天,相遇在巴尼斯百貨〉在內共五則珠玉短篇: 〈春天,相遇在巴尼斯百貨〉 筒井與妻子瞳帶著兒子文樹到新宿巴尼斯百貨購物。在那裡,筒井不經意地瞥見了過去的情人,記憶有如倒敘電影,往事一幕幕浮上心頭,一時衝動之下,他竟帶著兒子跑去找了舊情人…… 〈爸爸下車的時候〉 兩天前的星期日,筒井帶著兒子到麥當勞用餐,兒子竟與在同一桌用餐的陌生女子說起話來。陌生女子讓他想起前女友,接著他又記起向前女友吹噓的一場電車事故…… 〈夫婦之間的惡作劇〉 筒井與妻子到大阪參加同事的婚禮,投宿飯店。晚上兩人在房裡聊起婚宴的花絮,聊起兒子最近愛聽人家念《放羊的孩子》……此時,妻子提議:「老公,想不想玩玩『狼來了』的遊戲?就是兩個人互相撒謊的遊戲呀。」一個小遊戲,瓦解了一對在外人眼中是天造地設的夫妻的信任…… 〈高速公路休息站〉 筒井開車上班途中憶起了高中畢業旅行時,遺留了一隻表在日光東照宮。並不是忘了帶走,而是手表完美地嵌在岩石凹縫裡,就留在那裡了。不知如今是否安在?乍然湧現的記憶,臨時的衝動,筒井轉動了方向盤。算了,索性不理家人、丟下工作,往日光前進吧…… 〈樂園〉 她曾經問我:「喂,你認為樂園是什麼樣子?」我的樂園裡有椰子,有沙灘,還有一艘遊艇。白色遊艇在遠方緩緩航行,大海拍打著岸邊,激起浪花……
  • 昭和文学的金字塔/太宰治

    作者:太宰治

    《昭和文学的金字塔(太宰治)》内容主要包括:总序、前言:太宰治及其文学创作综述、鱼服记、传奇、满愿、富岳百景、奔跑吧,梅洛斯、竹青、维荣之妻和斜阳。
  • 世界怪奇实话(下)

    作者:[日] 牧逸马

    《世界怪奇实话》作为一种通俗读物,我想将之写成不折不扣的有趣作品,这是我的梦想。 所谓怪奇实话,不言而喻就是指荒唐的事情。然而,这些事看似故事,实则是通过文字来表现事实。把故事跟真实事件这两种表面上截然不同的概念混淆起来,就是《世界怪奇实话》的创作思路。 我曾经游历欧美,期间耳濡目染甚或亲身经历了各种各样的怪事,将其收集、整理一番之后,不禁萌生了“真实事件往往比故事更加离奇”的有趣想法。因此,我从中筛选了一些,以连载的形式在《中央公论》上发表,后又辑成《世界怪奇实话》付梓发行。 让本书成为世界性的一大集成,甚至具有文献意义,正是我唯一的愿望。我想,可能还没有人完成过类似的工作。总之,我的设想是本书将不拘泥于犯罪事件,只要是真实的,各种奇闻异事都不妨逐一收录进来。 我在国外的时候,曾走访过一些案件现场。因此,本书所记载的内容,几乎都是我实际调查的结果。 为了使各位能悠然自得地欣赏,本书特将不定期发表的文章汇成全集。这在日本也是一个崭新的尝试吧。 好啦,诸位,接下来就请大家跟我一起出发,开始我们的世界怪奇之旅吧! ——牧逸马
  • 地底兽国

    作者:久生十兰

    颓靡与优雅两极 疯狂与真实交错 晦暗寂寥却华幻绝艳 “日本最强奇幻枭雄”的残酷美学 独树一帜的小说宇宙 久生十兰 最绚烂宏丽的谲幻史诗 在这里,绝没有不痛不痒的文字 ◎        ◎        ◎        ◎        ◎        ◎ 隔年,一九三八年十月末,一行人回到了莫斯科,国家出版社将他们的调查成果出版成《北纬六十二度三十分之调查报告》一书。哪知印制成册的隔日,便被勒令禁止发行,于留下少部分资料后,将原稿连同所有已出版书籍烧毁灭迹,残存的部分资料则被封锁入国立图书馆的“危险书籍书库”中。 《北纬 六十二度三十分之调查报告》究竟是一个什么样的调查报告?这个原应随着时间的流逝,成为永远的秘密的机密报告,却在某个意外的机缘下,透过同胞之口,揭露了其令人震惊的调查主题,以及背后所潜藏的超越人类智慧所能企及的秘境真相。
  • 女神記

    作者:桐野夏生(Kirino Natsuo)

    女人殺人,男人生產。 鬼與神、血與救贖、愛與背叛的魔幻巨作! 遙遠南方的海蛇島,有一對生於巫女之家的姐妹花。依照島上陳規,長女事奉光明之國,守護島的白晝,負有接續後代的重大任務;次女則事奉幽冥之國,守護島的黑夜,也就是死人居住的世界。姐姐加美空聰穎美麗,繼承島上地位最崇高的大巫女,日夜為小島祈禱。妹妹浪間卻被稱為不潔之人,不同的幸運,使得原本感情深厚的姐妹,走向完全相反的道路。 原本注定一輩子效命死者之國、不得與男子交媾的巫女浪間,卻犯下違抗宿命的大罪,愛上家族遭到詛咒的真人,二人一起逃出島上並生下小孩。浪間在海上生下女兒夜宵,卻被深愛的男人給勒斃,僅十六歲便死去,落入了黃泉之國,開始侍奉起女神伊邪那美。伊邪那美因被自己丈夫伊邪那岐所背叛,終生必須留在邪穢的黃泉國,一處心懷怨恨、遺憾、死不瞑目的幽魂才會來的地方。心懷怨懟的她便決定每天賜死一千凡人。 浪間死後一心想要了解真人扼殺她的真正意圖,得知有方法回到生者的世界,她不惜二次死亡,化作黃蜂,使盡力氣飛回海蛇島,尋找她的女兒及真人,沒想到卻得知更殘忍的真相。黃泉國裡人神共處,像是相依為命。被囚禁於黃泉國的女神伊邪那美,以及遭深愛的男人殺害的凡人浪間,生與死、憎惡與愛戀、怨恨與牽掛,一道男女之間恆古的情感糾葛。伊邪那美身為黃泉國女神的痛苦,彷彿世間女子宿命般的悲哀,被囚禁於黑暗的怨念,永遠不會消失。 本書特色 ◎榮獲第十九屆紫式部文學獎 ◎全球三十多國跨國合作之神話系列首部日本神話作品 ◎直木獎作家桐野夏生完美重述《古事記》
  • 五体不满足

    作者:乙武洋匡

    《五体不满足》内容简介:身体障碍只意味着生活不便,绝非不幸!我从未感到自己与正常人存在差距。只要给我条件,我就能与大家一起做任何事情。我能做到别人做不到的许多事情。他生于一个普通家庭,生下来就没有四肢。虽然身体严重残缺,可他依然活泼快乐,充满激情和梦想,什么都敢去尝试:画画、跑步、游泳、摄影、打球……他顺利考入日本著名学府早稻田大学。他荣获得英语演讲大赛第一名。他成为著名的体育记者……他带给世人无穷的力量、感动和震撼!
  • 怪人二十面相

    作者:江戶川亂步

    歷經世紀不衰 屢次搬上銀幕 擅長化妝易容、設局奇巧、聰明膽大的「二十面相」 與名偵探明智小五郎鬥智鬥力的曲折故事 膽大包天的怪盜偷的東西愈偷越大 從鑽石偷到東京帝國博物館! 名偵探明智小五郎還被怪盜給綁架了 到底能不能脫困制勝? 高潮迭起,柳暗花明 不看到最後,不知道結局! 【我的夢和真實——談怪人二十面相】 江戶川亂步 不知吹的什麼風,從昭和十一年正月號的《少年俱樂部》開始,我突然開始為青少年寫小說。 本來我在娛樂雜誌裡寫的文章,故事就偏向帶有孩童的趣味。《少年俱樂部》的編輯認為我大概也可以為青少年寫故事吧,於是頻頻跟我邀稿。我起初不在意,後來想:既然可以在大人雜誌發表有孩子趣味的故事,為什麼不能在以兒童為對象的雜誌上,好好發揮一下? 《怪人二十面相》便是我的第一本為青少年寫的作品,結果非常轟動。 我原本是以「亞森羅頻」為發想的藍本,發展出這個非常會化妝易容、設局奇巧、聰明膽大的「二十面相」。因為想像空間大,寫起來非常快樂。由於《少年俱樂部》是第一次刊登類似作品,本來我還怕孩子不能接受,沒想到刊登後孩子的信如雪片般飛來,連載終了就由講談社出書,還成為暢銷書! 亂步從1936年開始連載《怪人二十面相》後,一直到1962年的《黃金的怪獸》為止,總共寫了31個二十面相的故事。 【故事簡介】 東京的大街小巷,人人都在談論「怪人二十面相」。聽說這個盜賊很會化妝,他擁有二十種的面貌,因此沒有人知道他真正的長相。 二十面相看中了羽柴家的鑽石,他化妝成羽柴家失蹤多年的長子壯一,成功偷走鑽石;當他又想偷佛像時,卻遇到明智小五郎的徒弟小林少年阻撓。 一不作二不休,二十面相乾脆化妝成明智偵探,成功的偷走日下部老人的美術城。 最後,二十面相的野心竟然大到要偷東京帝國博物館,為了怕明智偵探礙事,他綁架了明智偵探…… 這是二十面相與明智偵探鬥智鬥力的曲折故事!
  • 幽灵棚子

    作者:冈本绮堂

    ◎幽灵棚子 柳树下站着血淋淋的女幽灵,竹林里出现男幽灵上半身;河中有数不清的蛇蠕动,类似鬼火的酎火四处飘荡——愈怕愈爱看的观客心理古今皆然,却有人利用这恐怖的幽灵棚子犯下命案…… ◎往昔的菊人偶 动荡幕末,金发碧眼的异人既引好奇,又惹疑惧。一场疑似扒窃的纠纷点燃仇外恶意,狼狈逃遁的异人不只头破血流,珍奇的洋马与马具也被顺手牵走…… ◎螃蟹阿角 江户大川里打捞出一具桶棺,赤裸男尸的额头中央竟写了个大大的“犬”字;横演洋行异人夫妇死于非命,老婆似乎遭狗袭击,相隔两地的命案为何都与犬有关? ◎青山复仇 前一天坐在观客席中看役者演出生离死别,翌日即在街头目睹武士砍人的复仇剧码。金右卫门一行人组团到江户游览看戏,顺带探亲,孰料台上台下的发展皆让他们目瞪口呆…… ◎吉良的短刀 《忠臣藏》里遭受复仇的吉良上野介遗留一把短刀,五百石旗本福田左京不顾劝告,执意佩带护身。四五年后,旗本与小妾被行窃未果的内贼刺杀,凶器正是这把置于枕边的因缘短刀……
  • 手机小说的秘密

    作者:(日) 速水健朗

    “与我们所熟知的小说不同的是,在手机小说里几乎看不到对于情景故事的描写以及心理方面的刻画,取而代之的是数之不尽的登场人物以及毫不相干的小插曲,并且大量使用拟声词。而这些表达方式,往往会让那些读惯了正统小说的读者感到很不适应。” 于是,作者很认真地讲述了在手机小说盛行背后的文化故事。
  • 刀语 第八话

    作者:[日] 西尾维新 著,[日] 平田弘史

    书中描写同姐姐七实决斗之后,鑢七花成为名副其实的日本最强,他和已经收集到传说中的七把异型刀的咎儿,踏入了江户腹地中的广阔魔界--不要湖。监查所总监督和否定公主、手下忍者元和左右田右卫门,他们到底是敌是友?!咎儿他们实在不能确定。真庭忍军接下来一步又是什么呢?
  • 刀语 第五话

    作者:[日] 西尾维新 著,[日] 平田弘史

    在萨摩港街一手遮天、持有贼刀·铠的铠海盗船长——校仓必登场!夺得了“日本最强”称号的无刀剑士——鑢七花和收藏异型刀的美女奇策士——咎儿赌上了身家性命,要和校仓必一决胜负!被爱困扰,日渐迟钝的七花之剑的剑锋又如何是好!?
  • 死ねばいいのに

    作者:京極 夏彦

    「人の心ほど深く昏いものはない」 京極夏彦が紡ぐ究極の謎(ミステリー)――。 死んだ女のことを教えてくれないか――。 無礼な男が突然現われ、私に尋ねる。 私は一体、彼女の何を知っていたというのだろう。 問いかけられた言葉に、暴かれる嘘、晒け出される業、浮かび上がる剥き出しの真実……。 人は何のために生きるのか。 この世に不思議なことなど何もない。 ただ一つあるとすれば、それは――
  • 凉宫春日的暴走

    作者:[日] 谷川流

    “凉宫春日”系列第五弹隆重登场! 本集由三个妙趣横生的故事组成。 《无限循环的八月》 说不清为什么,阿虚总觉得这个炎热的暑假有些怪怪的。无论是和SOS团员一起去游泳池游泳、一起去餐厅喝饮料、一起看花火大会……总是有种怪怪的感觉,好像这个暑假漫长得没有尽头。到底是为什么呢? 《射手座之日》 电脑研究社社长竟然向SOS团宣战!谁在电脑游戏比赛中胜出,那几台最新型号的笔记本电脑就归谁所有。凉宫团长顿时双眼放光,随时准备开战!然而,面对这场力量悬殊的比赛,阿虚完全提不起精神,但是,他却只能硬着头皮上场……春日率领SOS团奋勇向前,好戏开始啦! 《雪山症候群》 春日号召的SOS团冬季旅行,是到雪山去滑雪。然而,团员们竟被神秘人拉入“异次元空间”——长门的能力受到限制,制作出逃生口后却意外地发烧倒下,而阿虚和古泉在春日和长门的提醒下,绞尽脑汁破解逃出“异次元空间”之谜…… 日本最大牌轻小说之“凉宫春日系列” 角川书店首次独家授权中文简字体版
  • 落日悲歌 汗血公路/亚尔斯兰战记3.4

    作者:(日) 田中芳树

    由于鲁西达尼亚的入侵而丢失王都的强国帕尔斯。突破银假面?席尔梅斯坚固的包围圈,帕尔斯王太子亚尔斯兰与战士达龙、策士那尔撒斯一同进入帕尔斯东方国境的城塞培沙华尔。然而,邻国辛德拉的王子拉杰特拉袭来的消息随即传来!亚尔斯兰凭借那尔撒斯的计略成功地擒获拉杰特拉,并与其缔结攻守同盟,为了讨伐辛德拉另一个王子卡迪威而向辛德拉国进军……
  • 《万叶集》与中国文化

    作者:中西进

    《〈万叶集〉与中国文化》全书分为两编,前编主要为万叶和歌与中国文学的比较,后编则主要论述了《万叶集》中涉及神仙思想的篇什及神、道思想在日本的流变。 全书布局严谨,前后两编所选篇目相互关联,尤其是神仙思想一编的诸题,从源流到受容,到融入和歌创作,研究翔实严密。适合该领域的学者及对中日比较文学、比较文化、和歌有兴趣的读者阅读。是作者中西进先生关于《万叶集》与中国文化研究领域的精选之作。
  • 新耳袋第一夜

    作者:木原浩勝,中山市朗

    日本自古以來有個傳說,如果一口氣講了一百則怪異的故事,就會有怪異的事件發生。這就是「百物語」的由來。這本書收錄的,不是那個遙遠時代的怪譚,而是發生在現代的「百」則怪異事件。 書中收錄的真人真事,多半以隱匿地名和人名的方式呈現,作者只單純記錄發生的現象而不做任何解釋,因此讀者會有一種「這些怪異現象很可能發生在身邊」的驚悚感。
  • 爱的饥渴 午后曳航

    作者:(日)三岛由纪夫

  • 村上龍料理小說

    作者:村上龍

    料理的滋味,能直搗你腦漿裡的慾望。 料理的滋味,象徵回味無窮的幸福。 料理的滋味,是無法原諒的罪惡感。 料理的滋味,躲藏著戀愛中的甜蜜魔鬼。 料理的滋味,能使人們遠離感傷…… 每吃進一口食物,都是在吃進生命, 都是在品嘗生命中的酸甜苦辣。 圍繞著村上龍的餐桌, 各種人生戲碼此起彼落上演, 永無欲念饜足的人, 永無食之無味的料理……
  • 泡影 越前竹偶

    作者:[日] 水上勉

    据文艺春秋社1985年5月版译出。
  • 梁塵秘抄

    作者:後白河法皇 撰

    十一世紀後半から約二百年の間流行した新興歌謡があった。最盛期には「そのころの上下、ちとうめきてかしらふらぬ人はなかりけり」(『文机談』)というほどであったが、鎌倉時代以後は宮廷歌謡の一部に残存するだけとなり、近世期にはほとんど廃滅した歌々であった。「今めかしさ」すなわち目新しく派手で魅力的な興趣を持つ故に、今様と名付けられた歌謡群である。 現存最大の今様集に『梁塵秘抄』がある。『本朝書籍目録』「管絃」の項に「梁塵秘抄。廿巻。後白川院勅撰」とあるので、もと二十巻で、歌詞集『梁塵秘抄』十巻と『梁塵秘抄口伝集』十巻から成っていたと推測される。ただし、本書は『口伝集』巻十が群書類従におさめられていただけで、長い間埋もれていた。明治の末に歌詞集『梁塵秘抄』巻一断簡と巻二が発見され、にわかに研究対象として注目をあびることになったのである。本文研究は徐々に前進してきているものの、音楽的実態や歌謡作者がほとんど知られない上、資料もとぼしいため、今様の研究は困難な状況にある。その資料のとぼしさこそが、今様の置かれていた文学的位置を端的に示すものでもあろう。しかし、歴史上のある一時期、今様は確かに歌われていた。今様がどのような時代背景に育ち、他のジャンルの文学とどのように関わっていたかを明らかにするために、本論をそのささやかな一歩としたい。 以下、本論の構成・概要を各章各節に沿って示す。 第一章「和歌と今様」では、和歌と今様との関わりを、和歌から今様への影響・今様から和歌への影響の二側面から論じた。 第一節「歌人と今様 その一 ──寂蓮をめぐって──」では、『梁塵秘抄』巻二の奥書に、秘抄を書写したとの伝承を持つ寂蓮について、出自・交流関係を軸に、彼が今様とふれ得た場について考察し、さらに今様の影響の見られる寂蓮詠を指摘した。 第二節「歌人と今様 その二 ──道因をめぐって──」では、自作の歌を「盲共」に無理やり歌わせようとして、人々の笑い者になったという逸話(『無名抄』)をもつ道因を取り上げた。このような説話を側面から支えるものとして、第一節と同様の手法で、道因と今様の関わりを考察した。 第三節「歌語と今様──柴車をめぐって──」では、歌語「柴車」について、使用した歌人やその詠まれ方の検討を通して、和歌史において伝統的な類型をこわそうとする動きがあらわれ、同時に今様の流行を見た、その時代の風潮の中でこそ、文芸に取り上げられた素材であったことを論じた。 第四節「和歌の修辞と今様──聞きなしの表現をめぐって──」では、松風と琴、波と鼓の聞きなしを含む『梁塵秘抄』今様を取り上げ、和歌の用例との比較から、今様としての新しさが、松の擬人化と、鼓と琴とを対等に取り上げる点とにあったことを考察した。 第五節「和歌の素材と今様 その一 ──「歌枕」の今様をめぐって──」では、「──(の)歌枕」という初句を持つ六首の今様を取り上げ、和歌の表現とどのように重なり、またどのような違いを見せるかについてを考察し、さらに物尽くしの今様における個々の素材選択とその配列における工夫を論じた。 第六節「和歌の素材と今様 その二 ──「鵜飼」の今様をめぐって──」では、鵜飼を素材とした今様を分析し、和歌と比較した上で、鵜飼人の労働の実際や鵜に捕らえられようとする鮎の動きを生き生きと歌いこむこと、後の能「鵜飼」に連なるような罪の自覚を歌うことの二点が、それまでの伝統的な文芸には見られない、まさに今様=当世風のものであったことを論じた。 第二章「説話・伝承と今様」では、説話・伝承を内包する今様及び、今様を内包する説話・伝承を考察した。 第一節「俵藤太伝承と「藤太巫女」の今様──『梁塵秘抄』配列の背景の一例として──」では、実体は不明ながら、『梁塵秘抄』三二四番歌に含まれる「藤太巫女」の語より連想される俵藤太の伝承が三二四番歌〜三二八番歌をつなぐ連想の糸となっている可能性を指摘した。 第二節「崇徳院怨霊と今様──『梁塵秘抄』今様の成立時期にふれて──」では、従来、神が無道の者を罰するという信仰を歌ったとする説と、崇徳院をめぐる時事批判の歌とする説の二説が提出されていた『梁塵秘抄』四〇五番歌について、後者を支持し、私見を加え、さらに崇徳院怨霊の伝承からその成立時期を考察した。 第三節「説話集の配列と『梁塵秘抄』の配列──『梁塵秘抄』四句神歌・雑部をめぐって──」では、従来、断片的にしかふれられてこなかった、編者の配列意図について、四句神歌・雑部全体を通して論じた。勅撰の歌謡集として、勅撰和歌集に倣おうとしたものの、集められた歌の数や性格の違いから、全体としては、説話集で指摘される連纂の方法をとっていることを考察した。 第四節「胡蝶楽の説話と今様──『今昔物語集』所収・増賀上人の説話をめぐって──」では、増賀上人が死に臨んで、胡蝶楽のまねごとをしたという『今昔物語集』所収の奇行説話のなかで歌われた歌謡の構成を、上句・下句の共通項と対立点に注目し、そこから増賀の奇行の意味を捉え直した。 第三章「物語と今様」では、物語に含まれる今様や、今様と発想の基盤を同じくすると思われる物語の記述について論じた。 第一節「『堤中納言物語』と今様──「虫めづる姫君」の生成圏をめぐって──」では、これまでに指摘されていた、「虫めづる姫君」の一節「いぼじり、かたつぶりなどをとり集て、歌ひののしらせて聞かせ給ひて」と『梁塵秘抄』三三一番歌「をかしく舞ふものは……囃せば舞ひ出づる蟷螂蝸牛」の近しさを、中世までの文芸作品における蟷螂の描かれ方の調査を通して補強し、さらに「虫めづる姫君」のモデル論において取り上げられてきた藤原宗輔周辺と今様の関わりをさぐり、物語の成立に宗輔周辺が関わっている可能性を指摘した。 第二節「『源氏物語』と今様 その一 ──源氏古注釈における今様享受──」では明石の浦とそこに打ち寄せる波を歌った『梁塵秘抄』三五〇番歌が享受される中で『源氏物語』と結びついたことから、どのような解釈がなされ得たかを考察し、「浦馴る」の語が紫式部の周辺で使われはじめたことから、当該歌謡の成立にも『源氏物語』が関わった可能性を指摘した。 第三節「『源氏物語』と今様 その二 ──近江の君の人物造型をめぐって──」では、近江の君の造型が今様と発想の基盤を同じくしている点について論じ、それが『狭衣物語』の今姫君にも共通することを指摘した。 終章「猿楽と今様──『鳥獣戯画』にふれて──」では、今様と猿楽を突き合わせることによって、猿楽の内容を推測したり、今様の把握に広がりを得る可能性を指摘した。あわせて、同時代の絵巻物『鳥獣戯画』にふれ、今様が生み出される基盤の広がりを論じた。文学のみならず様々な芸能・芸術を視野に入れて、今様を考察するその方向性を模索したものである。